愛犬のベッドを選ぶ時、一般的に基準とされるのは主にサイズ、柔らかさ(または硬さ)、乗り降りしやすさの3点といわれています。
近年は低反発(または高反発)タイプや綿、スポンジマットなど素材も吟味されるようになり、シニア犬や関節疾患をもつ犬のために体圧分散を意識されるようになりましたね。愛犬のよりよいやすらぎを求めて体圧分散型のベッドを選ぶ時に重要なポイントとなるのは実は「ベッドの厚み」なんです。
今回は体圧分散とベッドの厚みの関係についてご紹介していきます。
「厚み」が重要なのはなぜ?
犬用介護ベッドや一般的な犬用低反発(または高反発)ベッドは、後脚の筋力が衰えたシニア犬や関節の病気をもつ犬の乗り降りのしやすさを考慮した厚みで作られているため、2センチ〜5センチほどの厚みのものが主流となっています。
しかし、実はその厚みのものでは 体圧分散性を十分に発揮できていない実情があります。
それは厚みが足りないことで犬の体重の圧力が床に届いてしまい、硬い床から圧力が反発して跳ね返ってしまう現象が起こります。つまりマットの沈みが床に届いてしまうことが原因で 体圧分散性が失われてしまうというメカニズムです。そのため、優れた体圧分散性を発揮できる十分な厚みがあることが重要なのです。
体圧分散に必要な厚みはどのくらい?
犬の体重によりますが、体圧で沈む部分の床つきがなく、硬い床からの反発の影響を受けないようベッドの沈み具合が半分くらいに収まる厚みとして、小型犬〜中型犬であれば最低でも5センチ以上の厚みがあるベッドを推奨します。
厚みがあるベッドは犬の乗り降りの障害になる?
5センチ以上の厚みがあるベッドでは、後脚の筋力が衰えたシニア犬や関節の病気をもつ犬にとっては乗り降りしずらいのも事実ですが、市販の連結マットでステップを作る(ご家庭にある座布団を部分的に重ねることでもステップを作ることができます)など、少しの工夫で乗り降りのしずらさや負担を解消できますので、ベッドの厚みが5センチ以上あっても何も問題はありません。
まとめ
愛犬のベッドを選ぶ時、特に年齢ステージや病気などで体圧分散を意識してベッドを選ぶ際は、ベッド(またはマット)に十分な厚みがあることがベターです。
低反発や高反発のマットを使用しているベッドでも、2〜5センチ程度の厚みでは体圧で沈む部分が床についてしまい、床にバスタオルを2〜3枚敷いているのと同じで、犬の体にかかる負担はより大きくなってしまいます。
シニア犬や関節に病気をもつ犬のためのものであっても十分な厚みがあるベッドを選び、ステップを作るなど乗り降りしやすい工夫を施してあげましょう。
佐藤香織
ペットライフアドバイザー、JKC認定資格 愛犬飼育管理士
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